当店ではYLOD関連の記事には
必ずといっていいほど、【YLODの原因はプロードライザ劣化・ハンダクラックだけではない】と記載しています。
YLODは様々な部品の故障により発生します。
今回はプロードライザの劣化によりYLOD症状が発生していたため、タンタルコンデンサに置き換え修理を行いました。
今回は、分解手順と、プロードライザの取り外し方をご紹介します。
PS3 CECHL00 YLOD修理
お客様ご自身でプロードライザをタンタルコンデンサに交換したが、
症状が改善されなかった。とのことで修理をご依頼いただきました。
安いタンタルコンデンサは、不良品が多々あるので
個人的な意見としてはメーカー品を使用することを推奨します。
また、ショートさせたり、加熱し過ぎると他の部分が故障してしまうので、
慎重に作業してください。
壊してしまう方が非常に多いので・・・。
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基板とヒートシンクが固着している場合、無理に剥がすと
cell・RSXのハンダが外れてしまう事があるので、固くて基板が外せない!という場合は、少し温めると簡単に取り外す事が可能です。
精密機器です。力任せ・無理矢理は厳禁!!
プロードライザを取り外す
↓の動画のようにヒートガンを使用して、プロードライザを取り外します。
熱を基板に与えすぎと、他の部品が故障してしまったり、米粒より小さな部品が外れたり、
劣化していたコンデンサ類が熱により一時的に復活してしまい、本当の故障箇所が分からなくなったりと色々な不具合が出るので、なるべく早く取り外しています。
ヒートガンと、デザインカッターと、ピンセットを使用して取り外しています。
撮影時、カメラが邪魔で少し時間がかかっています・・。
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裏に4枚。表に4枚の計8枚取り付けられています。
お客様からはタンタルコンデンサに置き換えた。とお聞きしておりましたが交換されていませんでした。不思議。
お聞きしたところ、二台所有しておりもう一台の方だったとのことでした( ;∀;)
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裏側の2枚をタンタルコンデンサに置き換えました。
表側の2枚も交換し、全てのプロードライザをタンタルコンデンサに置き換える場合は、次の画像のように+を繋ぐ必要があります。
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片側だけでOKです。
これを行わずに電源を入れた場合、タンタルコンデンサがショートします。※前後4枚のプロードライザを外した場合のみです。
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清掃は行わなくても問題ありませんが、綺麗に作業した方が綺麗に修理できると私は思います。
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値段は高いですが、不具合が少なく高品質です。
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上に保護シートを貼り付けています。
機種や劣化具合により斜めに4つ取り付けたりと変えています。
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L00・H00・2000Aはこの取り付け方が多いです。
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組み立てていきます。
余談ですが、↓のように基板を削って貼り付ける方法は行っておりません。
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他業者様にYLOD修理を依頼したが修理不可で返却された。とのことでお預かりしたPS3基板の写真です。
基板を削ると元に戻せないのと、回路を破損させてしまう可能性があるのと、
見た目も悪く、削ってタンタルコンデンサを多く設置したいのであれば裏側も交換すればよいので
この手間を考えると無駄かな・・。と考えているためです。
A00やB00であればランドが少し広いので、斜め置きで一つのプロードライザ部分に4つ乗せることが可能です。
多くタンタルコンデンサを設置して、容量を増やしたところでYLOD症状が改善するわけではありません。
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ヒートシンクを固定しなくても数十秒は起動可能です。
数十後に、本体の熱が上がるため自動的にシャットダウンされます。
※赤点滅とビープ音が鳴り電源が落ちます。
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YLOD症状の修理が完了しました。
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乾いたペーパータオルで拭き取ります。
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新しい熱伝導グリスに塗り替えて基板を取り付けます。
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保護シートを貼り付けて、組み立てます。
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ヤニ汚れやべた付いたホコリは取れません・・。
本格清掃をご依頼いただいている場合は、洗浄するので綺麗になります。
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無事起動できたとしても安心してはいけません。
プロードライザを取り外した際の熱で、他のコンデンサが一時的に復活しただけの可能性もあるため
この状態で数時間起動させて点検します。
再発することが結構あります。
そのため、長めに点検してお客様へお返ししますが、
お客様の元で再発。という最悪なパターンも何度も経験しているので、YLOD修理は何年経っても不安です。
また、一度修理されている基板や、使用環境が悪く劣化が多くみられる基板の場合は
故障した部分を交換・修理して起動したとしても、短期間で他の部分が故障してしまう場合があるので
、修理が必要ない部分も交換したりしています。
※よく故障する部品や、劣化が少しでも見られた部品など
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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