syscon PS3初期型のYLOD修理
当サイトでは何度もYLOD修理の記事を投稿しているので、詳細は書きませんが
起動時にピピピと音がなり立ち上がらない症状をYLOD(赤点滅故障)と呼んでいます。
ゲーム中や、起動後数分で落ちる場合も赤点滅故障と呼びます。
↓の動画の症状です。
YLOD(赤点滅)の原因について
多くのサイトで、
・ハンダの割れが原因
・プロードライザの劣化が原因
・・・と書かれていますが、原因は色々あります。
PS3を構成している部品の一つが故障すると
どこか故障しているぞ!!ということでピピピとエラー音がなります。
※故障(ショートなど)したまま使用すると発火等の事故になる恐れがあるので、安全装置みたいなものですね。
YLOD=ハンダクラックではなく、
YLOD=どこかの部品故障です。
どこかは分解して点検するまで分かりません。
※赤点滅するまでの時間でおおよその故障部分は分かりますが、例外が多いのであてになりません(笑)
多くの場合は、メインの基板のどこかが故障しています。
小さいコンデンサ1個の故障でもYLODになります。
同じ内容を書き過ぎじゃない? もうわかってるって。
なぜ、同じような内容を何度も何度も書いているかと言うと
「YLODになってしまったのでプロードライザをタンタルコンデンサに置き換えてください」
「YLODになってしまったのでリボール修理を行ってください」
・・・といった依頼内容が非常に多いからです。
YLODの原因は点検しない事には分かりません。
光学ドライブの基板が故障しているのに、
メイン基板のプロードライザを交換して、YLODを修理できていないのに作業完了として送り返してもいいのですか?と意地悪な事になってしまうので、修理を行う部分の指定はやめてください(._.)
逆に、自分で点検した結果、ココとココが故障しているので交換を希望。
と来られた場合は、そこまで詳しいなら自分でやれ!ということで無視することが多いです。ごめんなさい。
sysconを使ってYLOD修理 PS3分解と簡単に使い方説明
電源ランプ緑→2秒後→赤ランプ点滅で起動できない。
ということでお預かり。
分解して故障している部分を探します。
数年前までは
電源が落ちるまでの秒数である程度の故障部分を絞ってテスターで点検していましたが、
今はシスコンを使っています。
時短できるので重宝しています。
PS3基板とパソコンとつなぐ
パソコンと接続するために基板にケーブルを取り付けます。
ケーブルは接続できれば何でもいいです。
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※Amazonのアソシエイトじゃないので、↑で買っても私に一円も入りませんのでご安心を。
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上記二点と、PS3のコントローラーケーブルとパソコンがあれば利用できます。
赤〇にRx
黄〇にTx
黒〇にGND
このように接続して、デュアルショック3のケーブルでパソコンと接続します。
文章では分かり辛いと思うので、YouTubeを見てください。
分かりやすく説明されている動画が多いです。私は説明が下手ですので( ;∀;)
↓こちらに接続方法が詳しく記載されています。
PS3の電源を入れて、パソコンと接続
接続が完了したら、基板に電源ボックスを取り付けます。
写真では電源ボックスを基板に直接取り付けていますが、ショートの恐れがあるので
上側のプレートを付けてから電源ボックスを取り付けるか、
電源ボックスの下に電気を通さない何かを敷いてください。
私の場合は、電源ボックスの裏に絶縁シートを貼り付けています。
電源を入れます。 スイッチ基板は取り付けなくてもOKです。
パソコンと接続して、ソフトを起動。
ソフトは上の接続ガイドページにリンクがあります。
エラーログを抽出
接続しているUSB端子を選択して、スタートを押すと
↓の写真のようになるので、Authをクリック。
緑になったらOK。
Get Error Codesを押すと抽出し始めます。
20件のエラーを抽出するまで待ちます。
3034は嫌な予感・・・
エラー内容を確認する
赤枠の部分の下四桁がエラーコードです。
このPS3は
・3034
・1601
・1701
・1001
によりYLODが発生していました。
正常に起動しているPS3でもエラーは出ます。
無視しても良いコードや、特定のエラーにより出たエラーコードの場合もあります。
完璧にココだ!!ではなく、この付近が故障しているよ~。といった内容です。
エラー内容に従って点検→修理を行う。
今回、一番多かったのは3034。
RSX(GPU)のハンダクラックやRSXそのものが故障している事が多いです。
そのため、最初にこちらの修理を行いました。
RSXをリフローしてクラックを修正しました。
【PS3のリフロー修理】と言われれば、簡易的な一時しのぎの修理と思われがちですが、
ドライヤーで加熱する方法とは異なります。
適切に行えば長持ちします。
他の部分が故障しなければの話ですが・・。
今回は、
RSXのリフローと
cell側のプロードライザ交換を行い、YLOD故障を修理しました!
最後に。 YLOD修理の嫌なところ
YLOD修理の依頼は多数いただきますが、
私としては嫌な修理です。
【症状が再発】することが多々あるからです。
YLODが発生する原因は様々です。
PS3を構成している部品の一つが故障してもYLOD発生。
基板上のたくさんある電子部品が一つ故障してもYLOD発生。
とても繊細なゲーム機です。
修理後数時間で、他の部分が故障して再発という場合が結構あるので、
長い時間動作点検を行いますが、
お客さんに返してから数日後に再発といった嫌なケースもあります。
こうなった場合は、無料で対応するしかありません。
違う部分であってもお金をいただけないです。
お客さんからすれば、
「適当な修理をやられた」となるわけで・・。(;_;
私が客側だったとしてもそう思ってしまうでしょう。
一応、見積時に再発するかもよと記載していますが、
隅々まで説明を読む人の方が少ないので、トラブルに発展することも多々。
なぜ再発したか説明しても、専門的な事を言われても分からないでしょうし、
専門知識が無いと私に嘘をつかれても分からないでしょう。
私のミスで再発していても「違う部分壊れていたよ」と言われればそれまでですから。
オンラインのネット修理業者は信用で成り立っているので、絶対にやりませんが。
再発して、私に不信感を抱き、
他の業者さんに修理を依頼する方もいらっしゃいます。
全く問題ないのですが、
「前の業者さんが壊しちゃってるね。最初からウチに持ってくれば直せたのに。」と
基板を加熱するしかできないスマホ修理業者もいるわけで。
完全に愚痴です。すみません。
どこをどう壊したんじゃ(# ゚Д゚)と喧嘩になった経験があります。
人を落として自分を上げる言い方はとても嫌いです。
修理できないこともある。
厳密に言えば、データが消えても良いのであれば
どんな故障でも修理は可能です。
故障している部分を丸ごと交換すればYLODは100%修理可能です。
ですが、修理を希望される方のほとんどは
データが大切です。
今まで積み重ねたデータが消えるのであれば修理不要となることが多く、
そうなった場合は料金をいただけません。
点検した時間が丸々無駄になってしまうので、私としては最悪なパターンです。
複数箇所故障しており、修理し続けた結果、修理してしまうとデータが飛んでしまう部品にあたる事もあるので、そうなると最悪中の最悪パターン。
そこでキャンセルされてしまうと部品代も損になります。
キャンセルされたら、元に戻せばいいじゃんと思われがちですが、
再利用できない部品もありますし、取り外した状態で返却することもできないので、そのまま返却します。
私はただの業者です。
お客さんは私に気を遣う必要は一切ありません。
時間が掛かってるから初期化されても修理を受けろと言ってるわけではないので、
遠慮なくキャンセルしてください。
以上!
YLOD修理の裏側でした(‘◇’)ゞ
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