CECHA00 RSXヒートスプレッダのグリス塗り替え。(殻割り)
「PS3のファンが爆音で困っています」
よくいただく修理依頼ですが、基本的には内部清掃とヒートシンクのグリス塗り替えで対応します。
塗り替えても改善しない場合はファンの交換やセンサーの交換等を行いますが、
ヒートスプレッダを外して中のグリスを塗り替えは滅多にやりません。
なぜ滅多にやらないのか。
面倒くさいから(笑)
・・ではなく、故障してしまう事があるためです。
発売から数年経過したPS3の初期型。
レトロゲーム機の仲間入りしそうなほどのゲーム機です。
RSXとCELLは基板とハンダで固定されています。
このハンダが劣化している事が多く、殻割りを行う事で
基板から外れてしまう事があるのです。
基板が熱くなる→冷えるを繰り返すことで劣化します。
ポロッとRSXやCELLが外れるのではなく、
複数ある接点のうち数点が外れます。
その際に基板の回路が破損してしまうので修正が困難です。
外れてしまうと・・・
YLOD(赤点滅故障)になってしまったり、
映像が出力できなくなったり(GLOD)と不具合が発生します。
リスクが大きいのです。修理失敗です。
不具合はファンの騒音だけだったのに、
起動しなくなったとなれば激怒しますよね。
平謝りで基板交換します・・・。と言いたいところですが、
データが消えてしまうため、
データを大切にしている場合は実質修理不能です。
基板交換代もこちら負担は当たり前でしょう。
なので私はやりません。
中のグリス塗り替えを行うケース。
とはいえ、作業を希望される方には
故障してしまう事がある。故障しても絶対に責任取らないよ。とお伝えした上で作業することがあります。
故障するかも。と事前に言われていても、
実際に故障して、無理でしたー!返します!と私から連絡があった場合、
やっぱり腹が立つと思います。
そのため、お願いされても極力やらない方向でお話しています。
作業中の写真
長くなりましたが、作業中の様子を紹介(*´ω`)
分解して基板を取り出します。
今回は、動作点検用に使用している私のPS3にて作業しました。
↑このグリスを塗り替えるだけも十分静かになります。
・・が、A00・B00は元々熱くなりやすい機器なので、PS4・PS5に比べると
うるさく感じます。
↓劣化したグリスを拭きとり、殻割りを行います。
今回はRSXのみ殻割りを行いました。
CELLは強力に固定されているため、カッターの刃等で接着剤を切断する必要があります。
この時にCELLを傷つけてしまう可能性があるため行いませんでした。
RSXは四隅固定
CELLはグルッと囲むように接着剤で固定されています。
車の内張りに使う、金属製の内張り剥がしを使用してスプレッダを取り外し、
中のグリスを塗り替えます。
ステッカー剥がし用のスクレーパーを使用し、古い接着剤を除去。
除去後は接着剤でスプレッダを固定。
熱伝導グリスを塗って組み立てたら作業終了(;’∀’)
静かになりました。
これで過酷な動作点検にも耐えられそうです。
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