ゲームプレイ中に突如ピピピと音が鳴り、電源が落ちてしまうCECHB00の修理

特定のゲームソフトでのみ、電源が落ちてしまう症状が発生する・・とのことでお預かり。
特殊な条件下でのみ発生する赤点滅（YLOD）故障の修理は非常に難しいです。
カッコが悪いのであまり言いたくありませんが、あまりやりたくない修理になります。

その理由は・・・？
修理開始

その理由は・・・？

その1　点検が非常に難しい
特殊な条件下。色々とありますが、
・ゲーム中に電源が落ちる
・特定のゲームソフトでのみ電源が落ちる
・特定のゲームソフトで特定のシーンでのみ電源が落ちる
などなど、本当に色々あります。
基本的にホーム画面（XMB）では電源は落ちずに何時間でも起動し続けます。

故障原因を探すためには基板を取り出して、にらめっこする必要があります。

起動してから数秒で電源が落ちる一般的な赤点滅故障の場合は、
基板を取り出して、電源ユニットを取り付けて点検しやすい状態にして故障原因を探せますが、

特殊な赤点滅故障の場合はこれができません。
ゲームプレイ時に電源が落ちる場合は、ソフトの読み込みを行うパーツであるドライブを取り付けて、
基板と接触するとショートしてしまうので、基板を保護しているプレートを取り付けて、コントローラーを接続してモニターに映像を出力して、
高温で電源が落ちるのを防止するために冷却ファンを取り付けて・・・
基板が見えない状態になってしまうので、点検が困難です。

この場面で電源が落ちるという事は、こいつが原因かな・・？
と予想して修理する事が多いので、その予想が外れると
「どこが故障しているか分からない」といった情けない結果になることも。
どこが故障しているか分からないとなると、修理不可で返送。
点検に費やした時間と使用した部品代も請求できないので丸々損をします。

その2　動作点検に時間が掛かる
このシーンで電源が落ちるとなると、そのシーンまでプレイする必要があります。
【会話をした後のムービーのココで落ちる】となると余計に時間が掛かり、
部品を交換する→パーツを組み立てる→モニターに繋ぐ→ソフトを起動させる→症状が出る部分まで進める。と手間が掛かります。
一発で修理できれば良いですが、そんな事は数回に一度あるかないかで、
酷い時は会話内容・ムービー中のセリフ等を全て覚えてしまうほど点検することもあります。

その3　修理できない事が多い
厳密にいれば、基板を交換したり、RSX・CELLの交換を行うことで修理は可能です。
正常に動く基板に交換すれば、基板が原因の故障は100％修理できます。

ですが、PS3の場合は冷蔵庫や洗濯機と違い、中に大切なデータが保存されています。
基板を交換することでデータが消えてしまうのですよね。
お客様によってはデータが消えても問題無し！という方もいらっしゃいますが、
今まで積み上げてきたデータが消えるのは絶対に避けたい。という方もいらっしゃるので
基板交換したら治りますが、どうしますか？と尋ねて、それじゃ修理は無しでと言われれば
修理不可で返送となります。

その4　もっと症状が酷くなる・症状が変化するケースがある
トラブルの元です。
事前に修理を行うことで起動できなくなるかも。症状が変化するかも。とお伝えしてから
機器をお預かりしますが、
送る前までは起動出来ていたのに、修理業者に預けた後に起動できなくなったとなると、
腹が立ちますし、修理に失敗しやがったな。と思いますよね。

特殊な条件で電源が落ちる場合は、基板が故障しかけている状態です。
完全に起動できなくなる一歩手前になります。

この状態で基板を取り出すと、少しの衝撃で完全に故障してしまったり、
はんだのクラック（割れ）で症状が発生している場合は、基板取り出し時や
冷却ファンと基板を分離する際の少しの捻りで完全に故障してしまう事があります。
また、電子部品の故障や、コンデンサの劣化等により症状が発生している場合、
複数箇所故障している事が多いため、一つの部品を交換することで症状が変化します。
故障部分を全て交換できれば良いですが、それが非常に難しく・・。

・・・という話を、修理業者から聞いても
「嘘つけよ(笑)　失敗して部品壊しただけやろ(笑)」となりますよね。私が客だったら思います。
お客様とトラブルになることが多い修理依頼になります。